生活習慣病とは

偏った食事、運動不足、肥満、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、ストレス…その積み重ねで起こるのが生活習慣病です。生活習慣病には高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満症などがあります。生活習慣病は働き盛りの世代に多い病気ですが、近年はより若い方にも多く発症することが分かっています。生活習慣病には自覚症状はありません。しかし、生活習慣病を治療しないまま放置すると将来に心筋梗塞、脳卒中、認知症、腎不全による人工透析を引き起こします。そのため、生活習慣病は“沈黙の殺人者(サイレントキラー)”と呼ばれています。
生活習慣病を克服するには早期発見、早期治療が大切です。健診できるだけ早く見つけ、治療に結びつけることが大切です。人間ドックや特定健診などを活用して、生活習慣病を早めに見つけましょう。生活習慣病の治療は日々進歩しています。日常生活の改善と適切な治療を継続することで、克服することができます。

生活習慣病の
チェックリスト

高血圧と腎臓病

高血圧と腎臓病

高血圧は動脈血圧が高く持続する病気のことです。65歳以上の日本人の3人に1人が高血圧だと言われています。高血圧は代表的「国民病」です。高血圧を未治療で放置すると将来、心筋梗塞、脳卒中、認知症、腎不全による人工透析を引き起こします。初期の高血圧には自覚症状はありませんが、高血圧の期間が長くなるに伴い尿蛋白、足の浮腫みなどの腎臓病のサインが出現します。
高血圧の大きな原因は塩分の摂りすぎです。また、喫煙や過剰な飲酒、肥満症も高血圧の原因です。高血圧の治療で最も大切なのは、まず塩分を控えた食生活と自分の血圧を日頃からチェックする習慣です。
高血圧の薬物治療には患者さまの病状や背景によって様々な組み合わせを行うことが可能です。早期治療を行うことで治療の効果を高めて、高血圧を克服することができます。

糖尿病

糖尿病

糖尿病は、血糖値が高く持続する病気のことです。日本人の5人に1人が糖尿病予備軍だとも言われています。初期の糖尿病には自覚症状はありませんが、糖尿病が進行すると、三大合併症(腎症、網膜症、神経障害)を中心に多くの症状が出現します。さらに心筋梗塞、脳卒中、認知症、腎不全による人工透析を引き起こします。
糖尿病はインスリンを中心とした血糖をコントロールするホルモンの不足や作用の低下で発症しますが、その主な原因は不適切な食習慣と運動不足です。糖尿病には発症前に長い初期段階があると指摘され、その期間はおよそ20年ともいわれています。若い時から生活習慣に気を付けることがとても大切です。
近年、糖尿病の治療薬は急速に発展し、多様化しています。早期発見、早期治療を行うことで糖尿病を克服することができます。

糖尿病を予防する
食生活の工夫

主食の量を減らしましょう。白米よりも玄米などを選びましょう。
野菜や海藻類をできるだけ毎食摂りましょう。
蛋白質(肉・魚・卵・大豆)をバランス良く摂りましょう。
食べ急がず、ゆっくり味わって食べましょう。

脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症は血液内のコレステロール、中性脂肪のバランスが崩れた状態のことです。
特にLDLコレステロール(通称、悪玉コレステロール)が高く、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態が長く続くと、動脈硬化が進みやすくなります。バランスの乱れた食生活が原因で、特に外食が多く、肥満の方は要注意です。
脂質異常症の治療は、高血圧や糖尿病に比べて疎かになりがちです。動脈硬化の予防のため、早期発見、早期治療が大切です。

脂質異常症を予防する
食生活の工夫

間食やお菓子を食べる量を減らしましょう。
飲酒の量を控えましょう。休肝日を設けましょう。
調理法は「揚げる」よりも「蒸す、茹でる。」を選びましょう。
和食を積極的に摂りましょう。

内臓脂肪型肥満

内臓脂肪型肥満

BMIといわれる計算式(体重kg÷身長m÷身長m)で25以上の方は肥満の状態です。肥満は皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)と内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)の二種類に分かれます。内臓周囲に脂肪がたまり高血圧、糖尿病、脂質異常症が発症しやすくなる内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)は特に要注意です。生活習慣と食生活を整え、運動の習慣を保つことで、内臓脂肪型肥満は緩和します。
ダイエットのため,毎日運動で300Kcal消費しましょう。運動を一気に行おうとせず、細切れに取り入れることが、コツです。

主な運動のカロリー数

縄跳び 10分 100Kcal
犬の散歩 30分 80Kcal
早歩き・エアロビクス 30分 150Kcal
ジョギング 30分 210Kcal
ボーリング 60分 140Kcal
ゴルフ 60分 200Kcal
卓球60分 300Kcal
バトミントン・テニス 60分 400Kcal

循環器疾患・動脈硬化

高血圧、糖尿病、脂質異常症と内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)のいずれかが合併すること全身の動脈硬化が進みます。これにより急性心筋梗塞を発症し、突然死に至る危険性が指摘されています。これが「死の四重唱」といわれる理由です。同様に脳卒中を発症する危険性も高くなります。当院では全身の動脈硬化を評価する検査機器を導入しており、定期的に動脈硬化の状態を確認することができます。

動脈硬化の原因

生活習慣病が主な原因です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症と内臓脂肪型肥満は互いに合併しやすく、合併することで加速度的に動脈硬化が進みます。これにより急性心筋梗塞を発症し、突然死に至る危険性が指摘されています。これが「死の四重唱」といわれる原因です。同様に脳卒中を発症する危険性も高くなります。

動脈硬化の検査方法

当院では動脈硬化を測定する検査機器を導入しており、定期的に動脈硬化の状態を確認することができます。

重症脳卒中の原因となる心房細動

一部の不整脈は心不全や時により突然死の原因となります。それ以外にも脳卒中の原因で注目されている不整脈があります。それは心房細動という不整脈です。心房細動は心臓の中に血の塊(血栓)を形成します。血栓が血流に乗り脳血管に入り込むと大きい脳梗塞を引き起こします。心房細動に伴う血栓はお薬で予防できます。定期的に心電図をチェックして早期発見に努めることが重要です。当院は専門施設と連携し、心房細動のより良い治療に取り組んでいます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は「大きないびき」が特徴です。いびきは睡眠中にしたが上気道に落ち込み、気道が狭くなることで発生します。これにより、必要な酸素を体内に取り組むことができず、身体に様々な障害が現れます。
睡眠時無呼吸症候群は「大きないびき」以外にも、睡眠中に呼吸が止まる、夜中に目覚める、日中の眠気、頭痛、けだるさが出現します。日中の眠気や倦怠感から集中力が低下することで、仕事に支障が生じる、運転中の事故などの引き起こすこともあります。また睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病である、肥満、高血圧、糖尿病とも密接に関連しており、心不全を悪化させることが知られています。
当院では睡眠時無呼吸の簡易検査を実施しています。一泊入院することなく、ご自宅で簡単に検査を受けることが可能です。
睡眠時無呼吸症候群は既に治療法が確立されており、正しい治療を受けることで日常生活が問題なく送れるようになります。重度の睡眠時無呼吸症候群にはCPAP療法が有効です。鼻マスクを装着し、機器(CPAP装置)により空気を送り込んで気道を広げる治療法です。

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病である、肥満、高血圧、糖尿病とも密接に関連しており、心不全を悪化させることが判明しました。

睡眠時無呼吸症候群の症状

以下のような症状はありませんか?

睡眠時無呼吸症候群の
検査方法

当院では睡眠時無呼吸の簡易検査を実施しています。一泊入院することなく、ご自宅で簡単に検査を受けることが可能です。

睡眠時無呼吸症候群の
治療方法

重度の睡眠時無呼吸症候群にはCPAP療法が有効です。鼻マスクを装着し、機器(CPAP装置)により空気を送り込んで気道を広げる治療法です。

禁煙外来

禁煙外来とは

禁煙外来とは

タバコの煙には4,000種類以上の化学物質と250種類以上の有害物質もしくは発がん性物質が含まれています。 タバコはガン、心筋梗塞、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患をはじめ、胃潰瘍、骨粗鬆症、白内障など様々な病気のリスクを高める事が知られています。さらに受動喫煙が健康にさまざまな影響を及ぼすことも知られています。

タバコに含まれるニコチンは脳に直接作用して、脳内の快楽ホルモンであるドパミンの放出を促します。これがタバコをなかなか止められない原因です。一方で禁煙に成功する事で、精神的な安定を確保する事ができることもわかってきています。
当院ではニコチン切れ症状(イライラなど)を軽減し、タバコをおいしいと感じにくくする治療薬(チャンピックス)を用いて禁煙治療を実施しています。この治療により脳がタバコを必要としない状態に次第に変えていくことができます。

禁煙治療は保険適用で、医師の指導の下、計画的に行われます。治療期間には12週間必要です(保険適用には各種条件があります)。
さらに、禁煙外来では、呼吸器の一酸化炭素濃度の測定、呼吸機能検査を実施して、たばこ肺の状態(慢性閉塞性肺疾患)を確認します。必要に応じて治療を行い、生活の質を高めるよう指導します。

当院の禁煙外来の特徴

お薬を使って禁煙できます

チャンピックスと呼ばれる飲み薬を使用することで、禁煙に成功できる可能性がかなり高まります。

保険が適用されます

禁煙治療には健康保険が適用されます(保険の種類により適用には各種条件があります)。詳しくはクリニックにお尋ねください。
自己負担総額(3割負担の場合)19,050円

医師の指導のもと、
計画的に禁煙できます

自分1人でただ吸うことを我慢しても、いずれまた喫煙してしまうことになります。医師が適切なアドバイスをし、時には励ましながら禁煙成功へ導いていきます。

禁煙外来の進め方

初診時にはチェックシートに記入し、喫煙や健康状態を確認します。吐息に含まれている一酸化炭素濃度を測定し、ヘビースモーカーの状態かを判断します。

禁煙治療薬(チャンピックス)を三か月間服用していただきながら、初診を含め合計5回通院いただきます。その間、禁煙の状況、健康の状態、吐息に含まれている一酸化炭素濃度を定期的に確認いたします。状況に応じて、禁煙をサポートできるようカウンセリングを実施いたします。